鎌倉の建長寺境内には、昆虫好きで知られる鎌倉ご出身の養老孟司先生の発案で作られたモニュメント「虫塚」があり、毎年6月4日に虫供養の法要や養老先生とゲストのトークイベントが行われていますが、今回は「大地の再生」のドキュメンタリー映画「杜人」に出演されていた臨済宗のお寺のご住職であり芥川賞作家でもある玄侑宗久さんが来られるとのことで参加しました。
玄侑さんは前週の僧侶というお立場で、
「殺生」
「仏教と精進料理の歴史や考え方」
などについてお話くださったのですが、私自身もベジタリアンなので、
「究極の精進料理は、自分たちが動物を食べないだけでなく、動物たちが食べるものも奪わないということで、毒があるのでどの動物も食べない蒟蒻芋からつくったコンニャク」
というお話が興味深かったです。
また「風」という時の中に「虫」という字があること、
「虫」=「蛇」=「龍」=「自然の力」
という考えから寺院の天井には龍の絵が描かれていることが多く、それは儀式の際に「龍」を下ろして「儀式をうまく執り行えますように=自然界・天の力を頂くことができますように」ということだと。
「野菜を食べるための農耕も、土の中にいる虫を殺してしまう」
ので、鳥獣を食べなくても現実には、
「他の生き物を殺さないと自分が生きていけないから、ごめんねと懺悔しながら殺生して食べる」
ということで、トークの後は境内にある虫塚にある虫塚に移動して僧侶の皆さんの読経の中で参加者も「人間のために犠牲にしてしまった虫の命に対しての懺悔」のご焼香を。

境内にはよく見ると「花塚」「茶筅塚」などもあり、また多くの寺社で「針供養」「写真供養」など動物でない「物」の供養も行われているように、定期的に自分が生きるために犠牲になってくれている命や役立ってくれているものに対する懺悔や感謝の気持ちを持つことの大切さを再認識。
それにしてもトークイベントのおみやげとして配られたのが、某社の殺虫スプレーなど殺虫製品セットだったのはシュールすぎ、、、💧
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