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三浦半島の古い漁具

執筆者の写真: Mariko Miki- The BlueMariko Miki- The Blue

横須賀市自然人文博物館でGWと11月の今の時期にそれぞれ数日間限定で行われる「文化財収蔵庫公開」。


三浦半島の漁具が多数収蔵されている館内では、博物館で展示しきれない大型木造船や漁具など2603点が特別に見られる上、今日は学芸員さんの解説ツアーもあるということで参加してきました。


一言で言うと「ぜんぶ茶色」。


木、竹、綿、素焼きの陶器などでできていて、もちろん自然に還るものばかり。


ほんの60~70年前まで、この辺りでも生活用品のほとんどを木や竹で手作りしているライフスタイルだったんですよね、、、


FRPやプラスチックの登場で、こういったものはほぼ絶滅。

代わりに私たちは100円ショップ、ドラッグストア、イオンなどで海外産のプラ製品を「安くて便利」と気軽に買って気軽に捨てて、ガソリン使って焼却するか、埋め立てる必要ない海まで埋め立ててゴミを埋めるための埋立地を造ったり、途上国へ貨物で運んで「処分した」ことにしたりしているわけで、、、💧


漁師さんたちが手作りしていた漁具や木造の船なども今や博物館でしか見られないものとなり、コンクリの港からエンジン付きのFRPの船にヒョイと飛び乗って、ずっと遠くまで漁に出られるようになり、漁に出られない日は陸で畑を耕していた漁師さんたちもテクノロジーのおかげで漁に出られる日が多くなり、畑をやる人もいなくなり、畑はディベロッパーの手に渡って分譲開発されて住宅地になったりセレブの別荘になったり。

そのおかげで子育て世代の移住者が増えて多様性や活気と税収がアップしたので、時代の変化は良いとも悪いとも言えないですが、、、


とにかく美しい木造和船。

「全国津々浦々にいた」という船大工産の技術。

伊勢神宮で20年ごとに遷宮を行なって技術継承を行なっているように、祭祀で使う船を作るなどして継承していかれたらよいのに。


この博物館には「自然館」「文化館」があり、常設展示も三浦半島の昆虫、植物、地層断層、海の生き物、ペリー上陸以降の横須賀の歴史、漁村の民俗文化など展示が充実しているのに無料。


「自然館」は約50年前、「人文館」は約40年前にオープンしたとのことで、高度成長期の豊かな財政があったゆえにつくられたのだと思いますが、老朽化している箇所のリノベーションや増え続ける収蔵品の収蔵スペースの拡大などが必要と思われ、

「こういった後世に残すべき価値あるものにぜひもっと税金を使っていただきたいな」

と。



横須賀市自然・人文博物館 https://www.museum.yokosuka.kanagawa.jp




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